拡大熱抵抗を計算をする Excel プログラム

熱設計

Y. S. Muzychka (2003) に基づいてフーリエ級数を用いた温度場の解析解から拡大熱抵抗を計算する Excel プログラムを作ってみました。式の導出に関してはこちらの記事も参照してください。

問題設定

論文中の Case 1 (a) の計算を行います。直方体の熱流チャネル上に長方形の熱源が2つ配置されています。境界条件として、熱源にはそれぞれの熱流量、直方体底面には熱伝達係数を与えます。そしてチャネル内の 3 次元温度場の解析解からそれぞれの熱源につてい拡大熱抵抗を算出します。

Excel サンプルプログラムのダウンロード

Excel サンプルプログラムの説明

パッチ面の平均温度・重心温度の計算

シート “T at Patch” を開いてください。

  • D2-D4 セル:熱伝達係数、周囲温度、総熱流量、を入力
  • D6-D10 セル:長方形熱チャネルプレートの寸法・熱伝導率(直交異方性考慮可能)を入力
  • D11 セル:熱源の個数を入力
  • D12-D21 セル:各熱源の寸法・熱流量を入力
  • D23 セル:平均温度・重心温度の計算を行う長方形パッチの個数を入力
  • D24-D33 セル:各長方形パッチの寸法を入力
  • 右上のボタン “Calculate Thermal Spreading Resistance” を押すと計算プログラムが開始します
  • J6-J11 セル:計算終了後、各パッチ面の1次元熱抵抗、拡大熱抵抗、パッチ重心の熱抵抗が出力されます
  • J13-J20 セル:上の計算結果と Qtot および Tf を使用してパッチ面の平均温度・重心温度が計算されます
  • 赤字で示すパッチ面の平均温度・重心温度が論文中の Table 1 の値とほぼ一致することを確認しました

熱チャネル上面(z=0)の温度分布の計算

シート “T at Z=0” を開いてください。

  • D列:パッチ面の入力が無い以外、上記のシート “T at Patch” と同じです
  • 右上のボタン “Calculate Temperature Distribution at z=0” を押すと計算プログラムが開始し、z=0 面上の 10×10 グリッド座標における温度分布を出力します
  • 温度分布の等高線グラフを確認すると Y. S. Muzychka (2003) の “Fig. 7 Surface temperature for an isotropic plate with two heat sources” に近い形になりました
  • 計算グリッド数を増やすにはソースコード “Sub mk_xygrid” 中の変数 “NX” と “NY” を直接変更してください。計算時間がかかるため最大 30×30 くらいまでが良いでしょう

参考

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