半導体パッケージの伝熱解析:1D vs. 3D

熱設計

こちらの記事 の拡大熱抵抗を考慮した半導体パッケージの 1D 伝熱解析と ANSYS Fluent (ANSYS Student) による 3D 伝熱解析の比較検証を行った結果、両者は良く一致することを確認しました。1D 解析と3D 解析を両方行うことで両者の妥当性と計算精度を相互に検証できるかと思います。

Fluent による 3D 伝熱解析

1D解析と同様に上方経路モデル(セル数:944,758 個)と下方経路モデル(セル数:866,564 個)に分けてそれぞれの 3D 定常伝熱解析を行います。Die 底面を 1:3 に分割しそれぞれに熱流量を 0.5W ずつ設定し、Heat Sink 上面には h=200 W/m2-K、Mortherborad 底面には h=5 W/m2-K を設定します。以下の図は両者の温度場の解析結果を示しています。

Images used courtesy of ANSYS, Inc.

部材界面の拡大熱抵抗(高発熱領域の温度上昇):1D vs. 3D

以下の表に 1D 解析(フーリエ級数の打ち切り項数 100 個)と 3D 解析の結果をまとめました。表中の Rs,h とRs, c は各部材の上流端(高温側)と下流端(低温側)の拡大熱抵抗、HDA は高発熱領域を示しています。3D 解析では界面の平均温度から高発熱領域面の平均温度の差分を取得して拡大熱抵抗を求めています。

部材界面の拡大熱抵抗(すなわち高発熱領域の温度の面内平均温度からの上昇分)をグラフ化すると以下のようになります。1D 解析の結果を真の値とすると、3D 解析ではほぼ同等の結果が得られていますが、若干の差異があり、これは 100 万弱のセル数を用いた解析でも離散化誤差が残っているためと思われます。一方、両者の結果がほぼ同等となったことから、1D モデルの妥当性が検証されたと言えます。

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