平均自由行程を計算する Excel プログラム

真空工学
Hannes Grobe, CC BY 3.0 , via Wikimedia Commons

ガス分子の分子量・分子直径のデータから平均自由行程、平均分子速度、衝突頻度、および Kn 数を計算する Excel プログラムを作成してみました。VBA のイベント処理で計算するようにしています。またユーザーがガス分子のデータを追加・変更することも可能です。

平均自由行程

\[ \lambda=\frac{1}{\sqrt{2}\pi d^2 n}=\frac{kT}{\sqrt{2}\pi d^2 p} \]

平均分子速度

\[ \overline{v}=\sqrt{\frac{8kT}{\pi m}}=\sqrt{\frac{8RT}{\pi M}}\]

衝突頻度

\[ Z=\frac{\overline{v}}{\lambda} \]

Kn 数

\[ {\rm Kn}=\frac{\lambda}{L} \]

  • \({\displaystyle \mathrm {Kn} <0.01}\): Continuum flow
  • \({\displaystyle 0.01<\mathrm {Kn} <0.1}\): Slip flow
  • \({\displaystyle 0.1<\mathrm {Kn} <10}\): Transitional flow
  • \({\displaystyle \mathrm {Kn} >10}\): Free molecular flow

Excel プログラムのダウンロード

Excel プログラムの説明

シート “Mean Free Path”

必要な数値が入力されるとイベント処理で各量を計算するためのプログラムが実行されます。

  • C5 セル:ドロップダウンリストからガス分子を選択します
  • C6 セル:分子量 \( M \) がセットされます(直接入力も可能です)
  • C7 セル:分子直径 \( d \) がセットされます(直接入力も可能です)
  • C8 セル:圧力 \( p \) を入力
  • C9 セル:温度 \( T \) を入力
  • C10 セル:代表寸法 \( L \) を入力
  • C11 セル:平均自由行程 \( \lambda \)(\( d, p, T \) が入力されると計算されます)
  • C12 セル:分子平均速度 \(\overline{v}\)(\( M, T \) が入力されると計算されます)
  • C13 セル:衝突頻度 \( Z \)(\( \lambda \) と \(\overline{v}\) から計算されます)
  • C13 セル:\( \rm{Kn} \) 数(\( L \) と \( \lambda \) から計算されます)
  • D7-D12 セル:ドロップダウンリストから単位を変更可能です
  • D14 セル:\( \rm{Kn} \) 数の大きさ(流れの希薄度)に応じた流れ場の状態を表示します
  • 入力と計算結果をクリアするには “Reset” ボタンを押してください

シート “Gas List”

ガス分子の分子量と分子直径のサンプルデータを本シートに登録しています。データはこちらのものを使用しました。分子直径の単位は pm (ピコメートル) で入力します。必要に応じて追加・変更してください。

平均自由行程のオンライン計算サイト

今回のエクセルプログラムはこちらのサイトを参考に作成しました。

参考

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